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(群馬県)りんご県育成品種「おぜの紅」の生産振興  2017-12-28

●群馬県 利根沼田農業事務所普及指導課  

 
(群馬県)現地事例情報
 
1.事例場所の概要
利根沼田におけるりんごの作付面積は275ha(平27)で、販売方法のほとんどは、観光直売や贈答向けなど、消費者への直接販売が主流である。早生品種から晩生品種の「ふじ」までが栽培されているが、近年では、温暖化傾向の中、早生品種「つがる」の着色不良果の発生が問題となっており、この点を改良した県育成早生品種「おぜの紅」が管内の農家に普及されている。
 
2.活動対象及び概要
管内では、数少ない市場出荷を行うりんごの生産部会である「月夜野りんご栽培部会」を対象とした。当部会では、平成24年度から「おぜの紅」の市場出荷を行っている。
 
3.背景・指導・ねらい
群馬県園芸協会からは、「利根沼田りんご研究会員」に対し、平成20年12月に724本、平成27年3月に353本、平成28年3月に62本の苗木が配布済みで、管内の「おぜの紅」栽培面積は約2.9haと推定され、(利根沼田農業事務所、平成27)、すでに成木期を迎えている園地が多い。そこで、品種特性を活かした「おぜの紅」の生産振興をはかり、観光りんご園経営の活性化をはかることとした。
 
4.具体的データ
(1)情報の内容・方法・特徴
1-MCP(1-メチルシクロプロペン)のくん蒸処理を行い出荷することで、有利に販売ができるか検討した。8月29日に、会員が持ち寄った「おぜの紅」果実、約140コンテナを、JA利根沼田が有する渋カキの炭酸ガス脱渋装置に持ち込んで処理を行った。普及指導課では、「おぜの紅」の満開後日数から適正な収穫日を決定し、それに合わせて、8月中旬から着色管理技術の指導やくん蒸処理日の設定を行った。
 
(2)成果
くん蒸処理された「おせの紅」の果実は、日持ち性が格段に向上し、果肉硬度の低下抑制、果皮の油あがりの抑制が顕著となった。東京や前橋の市場への出荷がなされ、平成28年8~9月には、1680kgが出荷された。市場での取引単価は黒秀品で2500円/5kg箱で比較的高めに取引された。また、他産地では、先駆的な取り組みをしていた「沼田市りんご組合」が同様のくん蒸処理を行い、早生から晩生品種までを含めると計886コンテナ、計8回の処理を実施した。
 
(3)普及活動上の留意点
慣行の市場出荷に比較し、処理コストがかかることから、今後はいかに市場単価を上げてもらえるかが課題である。また処理することで、どの程度の期間、品質を維持できるのかも未検討であり、農業技術センターと連携して、処理効果を検証していく予定である。さらに、現在の栽培面積は2.9haであり、まだ導入出来る余地はあるものと思われ、管内でも企業的な経営をおこなっている果樹園などからは栽培規模拡大の動きもある。平成29年度から、県外の業者に苗木生産許諾がなされ、苗木の円滑な流通がなされると考えられるので、これを契機に導入をすすめ、県オリジナル品種による産地振興をすすめたい。
 
▼添付資料(pdf)はこちらから
 
(2017年3月21日報告)
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