カメムシの被害に悩まされました | 2015-03-03 |
| ●静岡県 通信員 岡田正道 | 平成26年産の温州ミカンは、台風や秋季の高温多雨などの悪影響を受け、浮き皮や傷果が多発しましたが、それに加え、カメムシの被害にも悩まされた年でした。 移動を繰り返すカメムシは、防除の困難な害虫の一つです。   皆さんも写真のような果実に出合っているのではないでしょうか。 被害部はちょっと見では分からないけれど、果皮がうまくむけず、無理やりむくと果肉もくっついてきてしまうのです。これは、カメムシに吸汁された部分が固まった状態で治癒したものです。   カメムシの被害果。 左:果皮がむけない / 右:無理やりむくと果肉もくっついてくる   26年は主として夏までの被害で果実はまだ若いので、このように治癒し、被害部以外はほとんど苦味もなく、違和感のない食味ではありますが、消費者の皆さんに「気にしないでどんどん食べてください」とはとても言えません。   カメムシの繁殖に不可欠なエサはスギ、ヒノキの球果ですので、その発生は人間にとって疎ましいスギ、ヒノキの花粉の発生と密接に関連しています。花粉の発生は、温暖化現象の一つである夏の高温・乾燥の翌年に多くなることが知られており、結果としてカメムシの多発も温暖化と深く関連しているのです。   被害果は、広く普及している光センサー選果機では、残念ながら感知できないのが現状です。生産者の皆さんは、手による感触である程度分かるので、極力除外すべく、選果には大変苦労しています。ただし、万全というのは困難で、消費者の皆さんに届いてしまうこともあるかと思いますが、産地の事情も理解いただければ幸いです。
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