ログイン会員登録 RSS購読
こんにちは、ゲストさん
トップ対策情報
対策情報
水稲 麦・大豆 野菜 果樹 花き 畜産 その他
一覧に戻る
(愛知県)ブドウ新品種「クイーンニーナ」における高品質安定生産技術の確立  2018-01-22

●愛知県 農業総合試験場企画普及部広域指導室  

 
(愛知県)現地事例情報
 
1.事例場所の概要
県内のブドウ産地。大府市、岡崎市、豊田市、みよし市、豊橋市は平坦地。新城市は中山間地。
大府市、岡崎市、豊田市、みよし市、は直売中心産地。新城市、豊橋市は共選出荷産地。
 
2.活動対象及び概要
各産地のブドウ部会
 
3.背景・指導・ねらい
ブドウ産地では、多様化する消費者ニーズに応えるため、良食味で赤色および黄緑色のブドウ品種の導入が検討されているが、赤色ブドウでは、食味と外観、輸送性といった特性をすべて兼ね備えた品種が選定されていない。「クイーンニーナ」は大粒で食味良好かつ脱粒性が少ないといった良好な形質を有する。しかし、県内での試作で、①夏季の高温により日焼け果が発生しやすいこと、②晩腐病が発生しやすいこと、③着色不良果が発生しやすいことが懸念されており、その技術対策を検討した。今後は実用化に向けて、さらに技術を精査する必要がある。
「クイーンニーナ」は、2012年から苗木の導入が始まり、2014年には一部で初結果したものの、本格的な果実生産は2015年以降となる。また、栽培年数が短いため、消費者や実需者のニーズに合った生産技術が確立されていない。そこで、機能性フィルムを原材料にした傘、果実袋及びマルチを利用した高品質果実安定生産技術と、耕種的手法による着色向上技術、植物成長調整剤等を利用した販売チャネルに適合する果実生産技術について検討する。
 
4.具体的データ
(1)情報の内容・方法・特徴
日焼け果対策として傘の使用効果を確認した。
透明果実袋と通常の白色袋で着色を比較した。また、マルチを組み合わせてさらなる着色向上の効果を試験した。
結縛処理による着色向上効果について、結縛処理の時期を検討した。
GA1回処理による着色促進と果粒肥大抑制の効果を調査した。
 
(2)成果
傘による日焼け軽減効果が確認できた。透明果実袋と傘の組み合わせで着色が良く、日焼け果の発生しない良房が生産できた。また、反射マルチを組み合わせるとさらなる着色向上効果が発揮された。
結縛処理は発芽30日後処理で、やや着色向上効果が確認できた。
GA1回処理は、2回処理に比べ、果粒肥大が抑制され、着色の向上効果も見られた。共選出荷用の400g以下の房を作るために適した技術であると思われた。
 
(3)普及活動上の留意点
いずれの技術も適正収穫量が前提で、「クイーンニーナ」は1.2t/10aで、着果過多の場合、着色向上効果は期待できない。
また、「クイーンニーナ」は光による着色効果が高いことが特徴で、棚面を明るくするだけでも着色促進効果が見られた(LAI2.0)ただし、直射日光が当たると日焼け果の発生が多くなるため、棚面を明るくした場合には傘をかけることが必須である。
 
(2017年3月14日報告)
対策情報を検索する
この分野の対策情報を検索できます
中分類で絞り込み
キーワード検索
期間で絞り込み
から
注目情報
  コラム:寒暖変動しながら暖冬(あぜみち気象散歩102)
注目情報PHOTO  秋に続き、この冬も寒暖変動が激しかった。11月頃から約2週間の周期で気温が変動した(図1)。 暖冬だが約2週間ごとに寒気入り大きく変動 図1 地域平均気温平年偏差5日移動平均時系列(2023年12月~2024年2月)(気象庁)...
もっと見る