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飼料用米及び麦と茶葉とを組み合わせた肥育豚の暑熱対策技術  2014-02-13

●佐賀県畜産試験場 中小家畜部 脇屋裕一郎 

 
背景と概要
 九州地域をはじめとした西南暖地では、暑熱ストレスによる肥育豚の生産性低下が顕著であり、有効な対策が待たれている。そこで、暑熱環境下の肥育豚では、リジンの不足分を補充することで、生産性が改善できる可能性があるため、アミノ酸リジンをトウモロコシよりも多く含む飼料用米および大麦の特性と国内で生産される低利用資源(製茶加工残さ)の機能性特性を有効に活用した対策技術について、農林水産省委託プロジェクト研究(国産飼料プロ)において取り組んだ。
症状、原因
 暑熱期に肥育豚の生産性が低下する一因として、飼料摂取量の低下や消化率の低下により、必須アミノ酸であるリジン不足になっていることが考えられる。
対策
1)飼料用米(玄米)、麦の粉砕、製茶加工残さの利用
飼料用米(玄米)、国産大麦を2mm以下に粉砕することで、暑熱期の肥育豚の増体成績が改善されるとともに、製茶加工残さを配合することで背脂肪厚が改善される。また、トウモロコシ主体の慣行飼料と比較して、ロース肉の官能評価で好成績となる(表1~3、図1)
 
 
表1 飼料配合割合(%)
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表2 増体成績(試験1)
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表3 枝肉成績(試験1)
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図1 慣行飼料に対する米、麦粉砕区のロース肉の官能評価
2)トウモロコシの代替としての玄米給与
 肥育後期飼料で、トウモロコシの代替として、大麦を15%、製茶加工残さを1%に固定し、玄米の配合割合を40%まで増やしても飼養成績、肉質成績に悪影響を及ぼさず、脂肪内層中の脂肪酸組成中において、パルミチン酸やオレイン酸が増加する(表4~7)
 
 
表4 飼料配合割合(%)
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表5 飼養成績
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表6 枝肉成績
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表7 背脂肪内層の脂肪酸組成
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(図表はクリックで拡大します)
参考資料
脇屋裕一郎ら(2012)、日本養豚学会誌、49(1)、1-13.
脇屋裕一郎ら(2012)、日本養豚学会誌、49(4)、165-172.
脇屋裕一郎ら(2013)、日本養豚学会誌、50(4)、147-156.

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